隅田川の南北約10kmをひとつの舞台と見立てた、音楽とアートのフェスティバル。日本を代表するアーティストが、音楽、パフォーマンス、インスタレーションなどを「春」と「夏」の2回にわたって展開します。
春会期は、5月22日(土)と23日(日)にオンラインライブ配信しました。2021年8月13日(金)~9月5日(日)に開催する夏会期では、新型コロナウイルス感染症防止対策を充分に講じ、芸術活動を通じて丁寧にゆっくりと、隅田川を会所として、オンラインとオフラインとを駆使しながら人と人との関わり合いを再起動していけるような3つのプログラムを実施します。
蓮沼執太が率いるオーケストラ「蓮沼執太フィル」が、本公演のために和歌をテーマとした新作を携え、庭園内にて一夜限りの野外コンサートをライブ配信します。浜離宮恩賜庭園の歴史は古く、徳川将軍家の御殿や宮内省管理の離宮を経て、現在は都立庭園として公開されています。
これまで幾多の空間を軽やかで伸びやかな音楽で彩ってきた蓮沼執太が、東京屈指の庭園に時空を超えたアンビエント空間を出現させます。
川は、境界としての象徴的な存在です。川向こうの火事。彼岸と此岸。とかく分断が起きやすい今の時代にあって、ことばを用いて人と人を「渡し」ていこうとするのがこのプログラムです。
前半(15:00〜17:00)は、カニエ・ナハ、宮尾節子、晋平太によるワークショップの模様を配信します。
後半(17:00-18:00)は、いとうせいこうをはじめとした日本の最前線で活躍することばの魔術師達による夢の饗宴をライブ配信にてお送りします。
アーティストの和田永が中心となって、あらゆる人を巻き込みながら使われなくなった電化製品を電子的にハッキングし、新たな楽器として蘇らせ、オーケストラを目指していくプロジェクト。隅田川のほとりで6年前に産声をあげたこの取り組みは、多種多様に関わりあえる<Nicos Orchest-Lab>として現在、東京・日立・京都でチーム活動を行っています。
当日は、これまでに創られてきた家電楽器を用いたバンドパフォーマンスをメインに、発電の仕組みを用いた楽器、スケートボードを使った楽器などの新作もライブ配信にてお披露目します。
※本展示は、高木正勝のピアノ曲集〈Marginalia〉を、隅田公園でたくさんの方に楽しんでいただけるように隅田川怒涛事務局が構成しました。〈Marginalia〉によって、普段とは異なる公園の景色、音風景をお楽しみください。
かつては水戸藩の下屋敷であり、関東大震災からの復興のために整備された隅田公園。2020年には墨田区側の南部エリアが改修され、憩いの場として親しまれています。この公園で、高木正勝による、自然からの音を迎え入れてありのままにピアノを奏でるプロジェクト〈Marginalia〉をサウンド・インスタレーションとして展開します。〈Marginalia〉は、東京の都市空間に作られた公園で、どのような調和をもたらすのでしょうか。
地球上の生命を支える根源的な物質であり、環境条件によってその様態を自在に変える「水」。坂本龍一は「水」に対して、さまざまなインスピレーションの源泉として強い関心を示してきました。高谷史郎との共作となる本作の構想を進める中、水滴を制御し、自在に落下させることができる装置をYCAM InteLabが開発。水の様態の変化を表現した庭のような作品が完成し、2013年に初公開されました。(山口情報芸術センター [YCAM] 委嘱作品)
作品中央にある鏡面のような漆黒の水面には、水滴が波紋となって広がり、それと呼応するように精緻で細密なサウンドが会場を包み込みます。地球上の気象データを元にして、水滴の落ちる量や場所が変化し、そのひとつ一つの雫が水面と交わることで波紋となり、重なり合いながら「水」へと還っていきます。
また、作品で使用する「石」は隅田川の本流である荒川の源流の秩父より、古くは約3億年前の石を採取して展示します。
『隅田川怒涛』のクロージングを飾る、オンラインライブ配信イベント。日本が誇る表現者が集結し、ライブやトークなどさまざまな演目を東京スカイツリー®の展望台から配信します。新型コロナウイルスのパンデミックにより、まだまだ先行きが不透明な状況の中、深夜から始まり視聴者と共に日の出を迎えることで、黎明(=明け方。転じて「黎明期」とは、ある事柄が形になる前の始まりの時期を表す)を画面を通じてお届けします。東京における最前線の表現を、高さ世界一の自立式電波塔の天空から全世界に向けて発信し、芸術文化の未来を描きます。
響きの美しい鮮やかな音粒を東東京エリアに振りまきながら、音楽がまちなかでできることを拡張していくことを目指し、2014年に設立。日々展開しているプログラムはそれぞれが異なる指向を持ちながら、参加・参画ができる取り組み。音楽の知識があってもなくても一緒に合奏可能!